『熱し・冷却する事で、鋼(はがね)は驚くほど強靭になる』
太古の昔から、熱処理技術は進化をとげながら
常に世の中に必要とされてきました。
熱処理とは
熱処理とは、日本金属熱処理工業会で「赤めて冷ますこと」と記載されており、金属材料に加熱と冷却を加えて形を変えることなく性質を向上させる加工技術と説明されています。
また変化させる性質については、強さ、硬さ、粘り、耐衝撃性、耐摩耗性、耐腐食性、耐食性、被削性、冷間加工性などがあります。
ひと言で熱処理といっても、加熱温度や冷却方法で硬さ、組織、機械的強度等が大きく変化します。使用用途に応じた熱処理方法を採用することで、目的とする性能を実現しているのです。
熱処理がなければ、自動車・飛行機・船舶、高層建築物、高速道路等のインフラ等、現代社会のような発展はあり得なかったと言っても過言ではありません。
もしも
「熱処理」がなかったら…
01ネジ&ネジ穴
見渡せば、至る所で使われているネジ。
ドライバーのネジ穴が潰れてしまって困った経験はありませんか?
そうならないために、実はネジやネジを取り付ける穴の部品一つひとつも、熱処理がほどこされています。
小さな部品ですが、それぞれが重要な役割をするからこそ、用途にあった強度にするために、熱処理工程は無くてはならないのです。
- 熱処理あり
- 熱処理なし
02自転車のチェーン
自転車は私たちの最も身近な乗り物の一つです。
自転車を動かす仕組みは、テコの原理を利用したギヤとチェーンです。
ギヤは歯車状で、チェーンはその歯車の歯に合う形になっています。このギヤとチェーンの作用によって、人力でありながら高速で進むことができるのです。
自転車のエンジンとも言えるチェーンにも、しっかりと熱処理がされています。チェーンはこぐたびに力がかかっているので常に引っ張られている状態です。もし、チェーンに熱処理がされていないと、引っ張られる力によってすぐに伸びてしまい、歯車とかみ合わなくなるのです。
なんと、500m程度走っただけで壊れてしまうと言われています。
- 熱処理あり
- 熱処理なし
03つり針
子供から大人まで、幅広く楽しまれている釣りの道具にも熱処理されている部品はたくさんあります。
その一つが釣り針。
釣り針は魚を逃がさないように、カーブしています。すごく細い鉄線でありながら、大きな魚を釣り上げてもそのカーブは維持されています。
なぜなら、釣り針もしっかりと熱処理されているからです。
熱処理される前の釣り針だと、少しの力で引っ張っただけで、すぐにまっすぐに伸びてしまいます。
そうなると、魚を釣り上げる前に、エサだけ取られて簡単に逃げられてしまうことに…。
- 熱処理あり
- 熱処理なし
04金属バット
高校野球で気持ちの良い金属音を鳴らして飛んでいくボール。そんな光景を見られるのも、金属バットがしっかりと熱処理されているからです。
より遠くに球を飛ばせるように開発されてた金属バットに使用されている鉄は、薄くて軽く、筒状になっているバットの中は空洞です。
そんな金属バットがもし熱処理されていなかったら、ボールを打つたびにバットにボールがめり込むことに…。
そうなったら、高校野球のホームランなんてシーンは見れなくなってしまうかも…!?
- 熱処理あり
- 熱処理なし
05鉄塔
鉄塔は電気や電波を送る大切な役目を果たしています。
有名な東京タワーも、東京地域の電波発信中継基地として1958年に建てられました。
私たちの重要なインフラを維持するためにも、暴風雨などの厳しい気象条件下においても強度を保てなくてはなりません。
鉄塔は読んで字のごとく、鉄でできています。
鉄塔を構成している様々な金属部品も、もちろん熱処理が施されています。
熱処理されていない金属材料を使用して、あの高さを維持することはそもそも難しいとされています。
日本国内津々浦々、私たちの生活を支える鉄塔を支えているのが、熱処理技術でもあるのです。
- 熱処理あり
- 熱処理なし
06クリップ
誰もが使ったことのある、また、使っているクリップ。
形は色々ありますが、実はこのクリップも熱処理技術のかたまりです。
クリップは、元の形に戻ろうとする金属の特性を利用しています。このバネ性(靭性)を生み出しているのも熱処理の技術!
もしも熱処理されていなかったら、一度広げたクリップはひろがったまま。もちろん、何もはさめません。
熱処理は硬く・強くするだけではなく、金属を柔らかくしたり、粘りを出したり、クリップのようにバネ性を出したりすることもできるのです。
こんな小さな所にも、熱処理の技術がいかされているんです。
- 熱処理あり
- 熱処理なし
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