TECHNOLOGY 技術情報
浸炭(Carburizing)
浸炭とは、金属の表層から炭素を固溶させて表面のみを硬化する熱処理です。主に重機や機械部品のギアなど高負荷がかかる部品に対して耐摩耗性を向上させる目的で行われます。浸炭雰囲気ガスを用いて製品の表面から炭素を拡散させ、同時に焼入れを行います。硬化の程度は炭素量に強く依存するため、内部は柔軟な構造を保ったまま表層のみを硬化させることができます。よって、表面の硬い層による耐摩耗性と、内部の柔軟な組織による靭性を両立させることができます。また浸炭後の処理によって表面層と内部の間に圧縮応力が生じ、き裂や破壊に対する抵抗となります。
浸炭(Carburizing)の特長
浸炭とは、金属の表層から炭素を固溶させて表面のみを硬化する熱処理です。主に重機や機械部品のギアなど高負荷がかかる部品に対して耐摩耗性を向上させる目的で行われます。浸炭雰囲気ガスを用いて製品の表面から炭素を拡散させ、同時に焼入れを行います。硬化の程度は炭素量に強く依存するため、内部は柔軟な構造を保ったまま表層のみを硬化させることができます。よって、表面の硬い層による耐摩耗性と、内部の柔軟な組織による靭性を両立させることができます。また浸炭後の処理によって表面層と内部の間に圧縮応力が生じ、き裂や破壊に対する抵抗となります。
・エンジン、クラッチ、ディファレンシャル、トランスミッションの部品などプレスされた板状製品やギア形状の製品など
鋼は焼入れで硬くすると、反面脆くなり衝撃に弱くなってしまいます。そこで低炭素鋼の表面にのみ炭素を拡散させて耐摩耗性を高め、芯部は低炭素で焼入れしても硬くならず靭性を持たせるようにしたのが浸炭焼入れです。
通常の大気中加熱では処理品表面は酸化反応で脱炭しますが、浸炭処理は酸化反応とは逆に還元反応が起きるように雰囲気を制御します。雰囲気の炭素濃度を上げて鋼材表面へ炭素を侵入させる処理をいいます。
連続浸炭設備紹介
多品種大量生産に対応する設備となります。洗浄機、バーンオフ炉と浸炭炉をライン化しており、高効率の生産性を実現しています。
- 名張工場 5基
- 三重工場 5基
- 寝屋川工場 2基
- 橋本工場 1基
推奨する対象製品
自動車関連製品
・エンジン、クラッチ、ディファレンシャル、トランスミッションの部品などプレスされた板状製品やギア形状の製品など
主に処理される材質
機械構造用炭素鋼(S09CK、S15CK、S20CK)クロム鋼鋼材(SCr415、SCr420)、クロムモリブデン鋼材(SCM415、SCM420)
JISでは浸炭用の特別な炭素鋼として3種類の鋼材(S09CK、S15CK、S20CK)を規定している。合金鋼には炭素鋼のような浸炭専用の材種はないが、各種合金鋼のうちC量の少ないもの(約0.20 %以下)が浸炭焼入れの対象になる。