S-DLC

S-DLC(Super – DLC)とは

S-DLCとはダイヤモンドのような優れた耐摩耗性とグラファイトのような低い摩擦係数(低μ)の特徴を兼ね備えたトライボロジー特性に優れた硬質薄膜です。
弊社ではプラズマCVDを採用しており、水素を一部含有したa-C:H膜です。
弊社で一番生産実績のあるDLC膜です。

仕様

成膜方式 PCVD方式
sp構造 a-C:H
水素含有量 約20%
硬度 15~25GPa
1500~2500HV
膜厚 2~4µm
酸化開始温度 350℃
成膜温度 ~250℃

※硬度・膜厚・成膜温度につきましては環境に応じてチューニング致します。

S-DLC

特長

①密着力
密着力を上げるため、中間層(応力緩和)としてMe-DLCを採用しております。
アルカリ環境下で使用される場合、中間層の合金元素を変更する事も可能です。
②面粗度
PCVD方式により、ドロップレットが少ない平坦な仕上がりとなります。
③追従性
PCVD方式により、スパッタリング・アークイオンプレーティングより
異形状においても高い付き回り性が期待出来ます。
④ガスバリア性
最も小さい原子であるHに対しても高いガスバリア性を示します。
水素脆化に対しての保護膜としても有効です。

膜機能(評価)

摩擦量評価

ボールオンディスク摺動試験
方式
ボールオンディスク
面圧P
2139MPa
周速V
0.5m /sec
時間
120分
OIL
万能グリス/常温
ボール材質
SUJ2
プレート材質
SKH51(焼入れ研磨)
ボールオンディスク摺動試験のイメージ図
摩耗量比較

摩擦係数評価

バーベルオンディスク摺動試験
方式
バーベルオンディスク
面圧
20~150MPa
周速
0.11~4.40 m/sec
時間
400秒/サイクル
OIL
GF6(80℃)
ボール材質
SKH51
プレート材質
SKH51
バーベルオンディスク摺動試験のイメージ図
ストライベック評価

ガスバリア性評価

高圧試験炉水素暴露試験
試験
水素暴露試験
圧力
10MPa
温度
250℃
時間
240時間
使用ガス
水素ガス(99.99%以上)
大気圧質量分析
試験温度
400℃
温度速度
10℃/min
試験片に含まれた透過水素量を
プロファイル解析により測定
水素暴露試験

設備ラインナップ

処理 仕様 設備名 大阪 三重 タイ 中国 総計
DLC バッチ式(中型) コーディング設備 3 9 8 2 22
DLC バッチ式(大型) コーディング設備 0 4 0 0 4

設備能力

有効炉内寸法

中型 φ650㎜×H850㎜
大型 φ900㎜×H1500㎜