TECHNOLOGY 技術情報
TiAlN（Titanium Aluminium Nitride）
TiAlNとは、チタニウムアルミニウムナイトライドの略称で高硬質で耐摩耗性に優れたTiNにアルミニウムを添加し更なる耐熱特性を加えた硬質複合薄膜です。
チタン系複合膜でその耐熱性の高さからドライ環境で使用される切削工具へのPVDコーティング膜となります。近年はスタンダード膜として市場に提供されています。
TiAlN膜はHV3000程度の高硬度膜であり、優れた耐摩耗・耐食性に加え800℃を超える耐熱性を有しています。
環境への対策や生産性向上を目的としたクーラント剤の使用量削減や廃止によりドライ環境で用いる切削工具への要求に開発されたコーティング膜です。
高硬度・耐摩耗・耐熱性を有していることからドライ切削工具や高負荷環境に用いられる刃具に採用されています。
TiAlN（Titanium Aluminium Nitride）の特長
TiAlNはチタン系複合膜で硬さHV3000程度を有しています。800℃を超える優れた耐熱性と耐摩耗性によりドライ切削工具に採用されています。
成膜時に形成されるドロップレットはラッピング磨き処理にて提供が可能です。また、刃具の刃先形状の最適化としてドラックフィニッシュによるホーニング処理も提供致しております。
優れた耐熱性のチタン系複合膜として、更なる添加元素による応用膜にも適用されています。
Ti系スタンダード膜 弊社TI系のラインナップ
ランナップ
超硬質膜であることから刃具の刃先形状による初期ビビりやエッジ欠けに対する処置が重要な被膜となります。ドラッグフィニッシュ処理も対応可能ですのでご相談下さい。
Ti系の耐熱性向上複合膜
事例紹介
ホブカッター
様々な歯車を形成加工するドライ切削用ホブカッターに耐摩耗性と耐熱性に優れたTiAlN膜が採用されています。
高速かつ精密な加工を要求される工具に対し、約2μmという極薄膜を形成する事で刃形状を損なうことなく耐久性の向上が図れます。また、優れた耐熱性より高温となるドライ環境下でのコーティング膜を提供する事が出来ます。
TiAlN膜は優れた耐熱性と耐摩耗で様々なドライ切削工具に用いられています。
エンドミル
精密で超高速切削加工を要するエンドミルに耐熱性と耐摩耗性に優れた薄膜TiAlN膜が採用されています。
HV3000を超える超高硬度膜より、精密な加工が必要なことから刃先形状を保つため1μm以下という極薄膜でも耐久性の向上が可能です。また、優れた耐熱性より高温となる超速切削加工でのコーティング膜を提供する事が出来ます。
TiAlN膜は優れた耐熱性と耐摩耗性・高硬度で難加工・高負荷環境下での切削工具に用いられています。
推奨する対象製品
工具
・ホブカッター、エンドミル 等