TiN(Titanium Nitride)

TiN(窒化チタン)とは、チタニウムナイトライドの略称で高硬質で耐摩耗性に優れた硬質薄膜です。
チタン系の基本的なコーティング薄膜でPVDコーティングの分野では最も古くから市場に提供されている被膜の一つです。弊社でもスタンダード膜として安価で短納期な対応が可能です。

TiN膜はHV2000程度の高硬度膜であり、優れた膜密着性と耐摩耗・耐食性・耐熱性を有しています。
刃具への一般的なコーティング膜として幅広く適用されています。
また、美しい黄金色の被膜であることから装飾用途としても採用され、産業分野の電動工具チャック装飾部品だけでなくオリンピック聖火リレーの聖火トーチとして用いられた事で有名です。

TiN(Titanium Nitride)の特長

TiNはチタン系のスタンダード膜で硬さHV2000程度となり、優れた密着性と耐摩耗性より一般的な工具に採用されています。
成膜時に形成されるドロップレットはラッピング磨き処理にて提供が可能です。また、刃具の刃先形状の最適化としてドラックフィニッシュによるホーニング処理も提供致しております。
優れた密着性とチタン系スタンダード膜として添加元素による複合膜への応用や、その下地として用いられています。

TiN(Titanium Nitride)の特長

Ti系スタンダード膜 弊社TI系のラインナップ

ラインナップ

◆TiN 硬度HV2000程度

 除膜・再処理も対応致しますのでご相談下さい。

Ti系のスタンダード膜

事例紹介

ホブカッター、ピニオンカッター

様々な歯車を形成加工するホブカッターに耐摩耗性に優れたTiN膜が採用されています。
高速かつ精密な加工を要求される工具に対し、約2μmという極薄膜を形成する事で刃形状を損なうことなく耐久性の向上が図れます。また、優れた密着性より刃形状に追従した良質膜を提供する事が出来ます。
TiN膜は優れた膜密着性と耐摩耗で様々な刃具に幅広く用いられています。

金型

様々なパンチ類を形成加工する金型に耐摩耗性に優れたTiN膜が採用されています。
金属形成の高圧環境下で耐える金型に対し、約2μmという極薄膜を形成する事で大きな設計変更をこすることなく耐久性の向上が図れます。また、除膜・磨き・再処理し寿命を著しく向上させる事が出来ます。
TiN膜は優れた耐摩耗で様々な金型に幅広く用いられています。

※最大直径500㎜程度、穴深さは開口部直径程度の深度被覆となります。
 内径については別途ご相談下さい。